Piece of World　＜ピースオブワールド＞

ディープな大国

　インドはとても大きな国で、北インドと南インドでは別の国のような感覚にもなると言われている。インドという国を概して語ることはなかなか難しいが、旅行者がイメージする“インド”とは、期待を裏切ることなく“インド”なのである。特にガンジス川（インド人はガンジス川のことをガンガーと呼ぶ）に面する街で“インド”を感じることができる。インドは世界でトップを争うくらいディープでエキサイティングな国だと断言できると思う。

　インドは好き嫌いがはっきりと分かれるとよく言われるが、それには山ほど理由がある。衛生面はお世辞にもきれいと言えないし、鉄道は時間どおりに来ないし、食べ物の90％以上がカレー味で、ぼったくりや詐欺といったトラブルの話もよく聞く。それでも、インドに魅了された旅行者はなぜかインドを愛おしく思える。 　

　インドが好きになる理由を一言で言い表すのは困難を極める。ただひとつ言えることは、インド人の文化と国民性が先進国諸国とはあまりに違いすぎるところだ。インド人は飾ることないありのままストレートな人間で、真正面からぶつかってコミュニケーションをとる。インド人のストレートで愛らしい国民性と、エキゾチックなインドを取り巻く雰囲気が、旅行者をインドの虜にしてしまう理由に違いない。

　インドは広く、見所も沢山あり、短期間で全て見て回るのは厳しいが、その反面のインドの楽しみ方は様々ある。鉄道を何時間も待ったり、リキシャーのおやじとケンカしたり、そんなこともインドを出国してしまえば懐かしい思い出となってしまい、インドにまた行きたくなる。 インドで人生が変わる、という話もあるので、新しい自分を発見したり、日本ではできない体験があったりするかもしれない。インドから帰った自分は今までの自分より間違いなく強くなっているはず。